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AIによって大腸カメラ前処置の排便状況を判定するアプリ!


いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長の井坂です。

今回は昨今、様々な分野で活用され始めている人工知能(AI)を医療に導入した1例を紹介したいと思います。

大腸カメラは、腸管内に便が残っていると適切な検査を行えなくなる場合があるため、適切な「前処置」の実施、及びその評価が欠かせません。
前処置とは患者さんが大腸カメラ前に腸管洗浄液(下剤)を服用し腸管内の便を排出することを意味していますが、患者さん自身あるいは看護師が検査前に患者さんの排便性状を最終確認してから検査を行うことになります。
しかしながら、検査前に看護師が患者さんの排便性状を確認し、検査可能な状態か判定する前処置では、看護師の業務負担や排便性状判定の不一致が課題となっていました。
加えて、患者さん自身が排便性状を確認する場合、自分で判定することに不安を感じたり、患者さん自身の排泄物を看護師に見られることに心理的負担を感じたりすることがあり、医療現場では「自分自身で排便性状を判定するのは不安だ」「看護師に声をかけづらい」「恥ずかしい」との声が寄せられていました。
こうした課題を解決するため、国立がん研究センター東病院の新村医師らが中心となって排便性状を判定するAIモデルを構築し、アプリ(ナースコープ)が開発されました。
「ナースコープ」は、患者さん本人のスマートフォンにアプリをインストールし、大腸カメラ前処置時の排便を撮影することで、その排便性状をAIが自動で判定します。
患者さんや看護師は判定結果を瞬時に確認でき、判定結果を参考にして大腸カメラを実施することが可能となります。
当院でもこのアプリがリリースされてすぐに導入しており、受診者様にご利用いただいています。
アプリは無料でダウンロードできますし、検査が終わったら即削除してもらって構いません。

今後もこうしたAIの技術を賢く利用して医療の質向上に繋げられたらと考えています。
(詳細は国立がん研究センターや株式会社Jmeesのホームページをご覧ください。)